2026年6月15日
大手企業と取引したい本当の理由とは?大きな売上をつくる「提案力」の正体

「大手企業との取引を増やしたい」
理由は大きな売上をつくれる可能性があるからです。
しかし、大手との大きな取引は、自社の良さを伝えるだけでは実現しません。
鍵を握るのは、大手の意思決定に応えられる「提案力」です。
そして、それを支える手法としてアカウントプラン(APS)があります。
本記事では、IBMで25年間、大手企業の法人営業に携わった経験をもとに解説します。
大手企業と取引したい本当の理由とは?
理由を聞くと、「実績ができる」「ブランドになる」「会社の信用が上がる」と返ってきます。
どれも正しいです。
ただ、もう一歩踏み込むと、別の理由が見えてきます。
大手とのお取引は、一社あたりの取引が大きく、信頼関係ができれば長く続きます。
小さな取引を積み上げるより、はるかに事業を伸ばしやすい。
だからこそ、多くの会社が大手との取引を目指すのです。
なぜ「良い商品」だけでは大手に選ばれないのか
しかし、ここに落とし穴があります。
自社の良さをアピールするだけでは、大きな取引にはつながりません。
大手企業の購買は、独特だからです。
決める人が何人もいて、検討は長く、さまざまな部門の人がさまざまな角度で「買う理由」を求めてきます。
価格が安いから、関係が良いからでは動きません。
つまり、大きな売上をつくれるかどうかは製品やサービスの良さだけでは決まらないのです。
大手から大きな売上を生む「二つの提案力」
では、何が結果の差を生むのか。
私は二つの力が必要だと考えています。
① お客様の本質を理解し専門家の知 見を加えて提案する力
お客様が口にする困りごとは、氷山の一角かもしれません。
ご本人も、無意識のうちに本心をすべて語れていないこともあります。
表に出た要望だけに反応すると、競合他社と同じ提案で終わってしまう。
それでは、本当に解くべき問いは何か。
深く考えて掘り下げ、専門家としての知見を加えて提案することです。
② お客様が社内で承認を取れるようにサポートする力
大手企業では、担当者がどんなに気に入ってくださっても、その方お一人では決まりません。
上司、関連部署、経営層。
いくつもの承認を通って、はじめて契約になります。
だからこそ、お客様以上に、お客様の社内事情やパワーバランスを理解する。
それくらいでちょうどいいのです。
もちろん、社内の事情がすべて見えるわけではありません。
直接は聞けないことも多いです。
それでも、中期経営計画やニュースリリースなど、公開された情報から読み解けることはたくさんあります。
この会社はいま、何を目指し、どこでつまずいているのか。
わからないからと足を止めず、手に入る情報で仮説を立てて臨む。
その準備の差が、提案の深さに表れます。
アカウントプラン(APS)とは?
アカウントプラン(APS/アカウントプランニングセッション)とは、お客様一社ごとに提案の戦略を練り込む手法です。
お客様が目指すゴールや、その裏にある経営課題を理解し、社内で誰がどう判断するかまで見据えて、提案を組み立てていきます。
IBMでは、この手法を使っています。
世界170カ国で成果を出し続けてきた、再現性のある提案のやり方です。
ある大手製造業のお客様では、困りごとの奥にある経営課題や各部門の利害関係まで踏み込みました。
社内のどなたにどう説明すれば承認が通るか。
そこまで一緒に描いたことで、競合がいる中から選んでいただけました。
提案力を「個人の才能」から「組織の仕組み」へ
大きな売上は、立派な会社案内からは生まれません。
お客様の本質を見抜き、お客様社内を一緒に動かせる、提案ができる人材から生まれます。
ここで大切なのは、それを一部のできる人の才能任せにしないことです。
提案のやり方を仕組み化し、組織として再現できる状態にする。
そうすれば、特定の誰かに頼らず、会社として大手企業と向き合えるようになります。
大手企業との取引を増やしたいなら、まず取り組むべきは、提案力を組織にどうやって仕組みとしてっ組み込むかではないでしょうか。
思いを成果に変えるのは人です。
よくある質問(FAQ)
Q. アカウントプラン(APS)とは何ですか?
A. お客様一社ごとに提案戦略を練り込む手法です。お客様のゴールや経営課題、社内の意思決定構造まで見据えて、逆算で提案を設計します。
Q. 大手に提案できる人材は、どうすれば育ちますか?
A. 提案のやり方を仕組み化し、組織として再現できる形にすることが近道です。個人の才能に依存せず、誰もが一定水準の提案をできる状態を目指します。
著者プロフィール
加藤夏美(かとう なつみ)— N.Kナーツ株式 会社 代表。IBMで25年間、大手企業向けの法人営業に従事。2020年、グローバルで20名のトップパフォーマーに選出され、最高年収6,602万円を達成。現在は、IBM流の「成果の出る提案のやり方」を仕組み化し、大手企業に提案する企業の提案力強化を支援している。
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