2026年5月20日
会議で「ハエ」を生まない組織のつくり方

「何か意見はないか?」
会議の場でそう問いかけても、返ってくるのは静かな沈黙だけ。
うつむくメンバー、黙々とメモを取るフリをする参加者。
そんな光景に、頭を悩ませたことはありませんか?
「うちのメンバーは積極性がない」
「当事者意識が低いから、話せないのだろう」
そう考えてあきらめてしまう気持ちも分かります。
しかし、提案力の本質から考えると、この捉え方は間違っています。
メンバーが会議で発言せず、壁の「ハエ(傍観者)」になってしまうのは、個人のやる気のせいではありません。
組織の会議の「仕組み」が整っていないからなのです。
強い提案組織と、個人のセンスに頼る弱い組織の決定的な違いは、ここにあります。
私がIBMにいた頃、提案に関する会議では、新人であっても「聞くだけの参加者(お客様)」でいることは決して許されませんでした。
なぜなら、会議のルールとして「全員がバリューを発揮する当事者である」と徹底されていたからです。
とはいえ、知識のない新人が、いきなり気の利いたビジネス提案や、役に立つ意見を言えるわけがありません。
そこで、組織が用意していたのが「発言のハードルを極限まで下げる仕組み」でした。
それが、「質問でもいい。それも立派な貢献だ」という共通のルールです。
「ここがよく分からないのですが」
「なぜこの提案書は、この順番で書かれているのですか?」
こうした素朴な質問であっても、会議の場に投げかけることで、ベテランの盲点に気づかせたり、議論を活性化させたりする。
「何か良い意見を言わなければ」というプレッシャーを仕組みで排除することで、メンバー全員が当事者として言葉を発する土台を作っていたのです。
発言しやすい空気をつくるのを、個人の「気配り」に頼るようでは組織とは言えません。
誰でも前のめりになって知恵を出せる「サイエンス(仕組み)」が必要です。
メンバーを「会議のハエ」にさせないために、リーダーが今日から導入できる2つの仕組みがあります。
1. 「質問も立派な発言である」と共通言語化する
「良いことを言おうとしなくていい。分からないなら、質問をすることが議論への大きな貢献だ」とチーム全員に宣言し、プレッシャーを解放してあげてください。
2. 全員が必ず1回は発言するルールを作る
「今日は自分がメインじゃないから」という逃げ道をなくすため、会議の最後に全員 が「質問か意見」を1つずつ口にする仕組みをルール化します。
個人のセンスや性格に頼っていては、組織全体の提案力を底上げし、お客様に選ばれ続ける強いチームを作るための最初の一歩です。
あなたのチームの会議では、メンバー全員が当事者として言葉を発していますか?
まずは次の会議から、「全員が質問するルール」を試してみませんか。
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