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2024年3月23日

エンタープライズセールスがクロージングテクニックを知らない理由

エンタープライズセールスがクロージングテクニックを知らない理由

大手企業向けビジネスの中でも、取り扱う製品・サービスが高額、大規模、複雑な商談プロセスの案件を取り扱っている法人営業はクロージングテクニックというものを学びません。事実、筆者は25年間、外資系IT企業で売上げ1000億円以上の企業と取引しておりましたが、クロージングについてはASK for Orderを適切なタイミングで行うことしか習ってきませんでした。理由は簡単で、小手先のクロージングテクニックでは通用しないからです。何故、大手企業向けの高額商談ではクロージングテクニックが通用しないのか解説いたします。


1.クロージングテクニックの種類

2.クロージングテクニックが通用する商談

3.クロージングテクニックを知らなくても成約率が高い営業とは


1.クロージングテクニックの種類

クロージングのテクニックが通用する商談は少額かつその場で決めてしまった後に、万が一、思ったような製品やサービスでなかったとても後悔が少ないもの、痛手が小さいものになります。金額規模では、個人であれば1万円以下、企業であれば100万円以下がひとつの目安となります。クロージングテクニックとしては以下の4つがあります。


①推定承諾法:発注いただけるかまだ決まっていない段階で、購入の意思決定を確認することはせずに、もし、仮に選んでいただけるものという前提に立って話を先に進めていく方法です。

例えば、もし仮に、自動車を購入する場合、何色にしますか?何人乗りの車にしますか?というように勝手に詳細を詰めていくやり方になります。


②二者択一法:二つの選択肢をしてどちらかを選ばないといけない状況に持っていく方法です。例えば、ランチはイタリアンとお寿司どちらがいい?と違う選択肢を封鎖するやり方です。


③限定品手法:数に限りがあるため、今買わないと買えなくなる可能性がありますという手法です。例えば、期間限定商品、店舗限定商品などがそれにあたります。


④ラストチャンス法:この価格で買えるのはいまのみですという手法です。この場で決めてくれたら安くしますという即決を促す手法としてよく使われています。


⑤注文書記入手法:買うと言う前から注文書に記入させる方法です。書いても支払いをしなければ大丈夫と言って無理に注文書を書かせる手法です。


2.クロージングテクニックが通用する商談

下記表のように、小型案件で売り切りのような製品・サービスはクロージングテクニックを駆使することにより売上げが増加することがニール・ラッカム氏の調査で明らかになっています。ここでの問題はお客様の満足度が低いことです。つまり、お客様は営業パーソンに無理やり売られたとう後味が悪い思いをしている可能性があります。悪印象を与えてクロージングした案件は、悪評しか残らず、将来的には淘汰されていく可能性が大きいです。



3.クロージングテクニックを知らなくても成約率が高い営業とは

大手企業に対して大型案件をセリングしている営業はお客様に価値を届ける、潜在ニーズを掘り起こすことに注力して活動しています。特に、事前調査をしっかり行い、お客様に役立つ提案はどのようなものなのか、仮説を立てます。仮説は妄想ではなく、理論的に説明できるレベルまで落とし込み資料化します。その上で、お客様に仮説を提案します。仮説が間違えていてもお客様は自社のことを真剣に考えてくれた役立つ営業には好意的に対応してくれるのが大半です。そして、仮説の内容ではなく、お客様の課題などを話し始めてくれます。その内容をしっかり聞き、理解を深めるともに、まだ顕在化していない本当の潜在ニーズを掘り起こすための質問を行い、お客様自身に必要性を理解させます。説得させるのではなくお客様自身が納得することが大切です。ここまでをしっかり行えば、お客様とワンチームになり二人三脚でプロジェクトを成功裡に終わるまで活動することが可能となります。活動を通じて必然的に、上申するためにはどのような情報が必要なのか、予算金額はいくらなのか、コンペは何処なのか、いつまでに契約を行わないと間に合わないのか、契約を行うためにはどのような稟議プロセスがあるのか、いつからプロジェクトを開始するのかを自然と話し合うことができます。つまり、無理にクロージングしなくてもクロージングに確実に進んでいくことができるようになるのです。

 

このやり方は、少額案件でも有効な方法であり、このやり方を身につけると製品・サービスが変わっても営業パーソンとして成果を上げ続けることが可能となります。


 

N.Kナーツでは、多くの企業の[営業コンサルティング]支援実績があり、仕組み作り・チームづくり・人材育成などのメソッドがあります。法人営業の強化の取組の際はN.K.ナーツにご相談ください。N.K.ナーツでの営業力強化の支援実績はこちら

 

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