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2025年5月19日

怒られるうちが華 ─ 無関心の文化が一番怖い!

怒られるうちが華 ─ 無関心の文化が一番怖い!

第1節:営業という仕事は、なぜ怒られるのか?

営業は「結果がすべて」の世界です。


数値で評価されることが前提であり、商談ひとつの成否で大きなインパクトを受けるため、どうしても現場では厳しい言葉が飛び交います。


私自身、IBMに入社した当初は、報告が遅い、提案が浅い、会議の準備が足りないなど、毎日のように注意を受けていました。


正直、つらかったです。


しかし今では、あの時期がなければ私はグローバル20名に選ばれるトップセールスにはなれなかったと断言できます。


重要なのは、「怒る」という行為が、関心と期待の裏返しだということです。


第2節:「怒られない組織」はなぜ危ないのか?


最近では、怒る側も怒られる側も極端に“避ける”ようになりました。


パワハラという言葉が独り歩きし、フィードバックが萎縮されているケースも見受けられます。


しかし、もっと危険なのは、「怒ることを諦める文化」です。


間違いがあっても誰も指摘しない。


あるいは「察してくれるだろう」と放置される。この状態が続くと、「本気の関与」がなくなります。


やがて、組織からは熱量が消え、無関心の文化が静かに広がっていきます。


第3節:「怒り慣れていない」若手と「育て慣れていない」マネージャー


若手社員の中には、フィードバックに対する免疫が少ないまま社会に出てくる人も増えています。


一方で、マネージャーやベテラン勢も、厳しい言葉を避ける傾向が強まっています。


結果として、お互いが遠慮し合い、育成の断絶が起きています。


これは単なるスキルや世代ギャップの話ではなく、組織全体の「再現性の欠如」に直結しています。


指導が属人化していくと、育成される側にも育てる側にもストレスが蓄積されていきます。


第4節:セールスイネーブルメントで「怒り」を仕組みに変える


私は今、企業の営業支援としてセールスイネーブルメント(Sales Enablement)の導入を支援しています。


これは、営業活動を「個人の才能」や「上司の裁量」に頼るのではなく、再現性のある仕組みで支える考え方です。


たとえば、営業プロセスの明文化、共通の提案フレーム、進捗管理と振り返りの仕組み、定期的なフィードバック設計です。


これらを全社レベルで整備することによって、「怒る・怒られる」の関係性を「支援と育成」に変えていくことができます。


行動科学的にも、人は「継続する仕組み」があれば動きます。



営業も同じです。


第5節:「怒られるうちが華」の本当の意味


「怒られるうちが華」とは、決して精神論ではありません。


本気で育てようとするからこそ、人は厳しいことも言えるのです。


そして、怒る側にとっても、エネルギーと覚悟が必要です。


そんな関係性を「文化」ではなく「仕組み」で維持できるのが、今の営業組織に必要な進化だと、私は確信しています。


まとめ

あなたの組織には、怒られながらも成長できる環境がありますか?


誰かが指摘し、支援し、期待してくれる関係性が維持されていますか?


もし最近「静かだな」「みんなお互いに干渉しないな」と感じることがあれば、それは組織の関与が失われているサインかもしれません。


いま必要なのは、「昔に戻る」ことではなく、新しい関与の仕組み=セールスイネーブルメントを取り入れることです。


怒られるうちが華──この言葉を、いま一度、組織づくりの視点で見直してみてはいかがでしょうか。

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