2024年2月2日
エンタープライズ営業に必須のアカウントプランニング
アカウントプランニングとは、フォーカスしたお客様に自社の製品・サービスが役立つかの仮説を立てて提案活動を行うための営業手法です。大企業に対してソリューション型営業を行うには必須の項目です。通常、アカウントプランニングは四半期に1回作成します。作成したものを関係各位集まりセッションという形でアカウントセールスが発表を行います。外資系IT企業では30年以上前から行われてるセッションであり、日本企業でもエンタープライズ営業では実施しているところが増えています。
1.アカウントプランニングの目的
重要なお客様に対して、中長期で契約金額を戦略的に拡大するための、計画を立てることがアカウントプランニングの目的です。そのため、既存のお客様だけでなく、新規で大企業と取引をしたい場合でもアカウントプランは必須の実施事項となります。お客様の企業規模や想定されるビジネス規模に応じて、エンタープライズ営業が複数名で1社を担当したり、営業1人で数十社程度を担当する場合があります。社数が少なければ少ないほど、お客様を深く掘る必要があります。そのため、お客様の情報をお客様との会話だけでなく、あらゆる情報を収取し、プランを作成していくことになります。
2.アカウントプランニングセッションの重要性
アカウントプランを担当営業が作成し、自分のパソコンにしまって置くのであれば、作成した効果は低くなります。「アカウント・プランニング・セッション(APS)」を行い、営業部長をはじめとしたリーダー、提案活動を一緒に行うSEやSEマネージャー、社内のサポート部門、経営マネージメントなどが、全員参加して、お客様の状況把握と今後の提案活動について共有する事が大切となってきます。このセッションは担当営業が単純に発表を行う場ではなく、作成した資料を叩き台にして、議論やアドバイスを行い、今後の提案活動をより良いものにしていく効果があります。そのため、少しでも今後関係が出てきそうなメンバーやサポートして欲しい関連部門や経営層にも積極的に声をかけて参加していただくようにすることをお勧めします。新年度の1回目のセッションは営業の一年の活動計画に値するため、やるかやらないかでは1年後の結果は大きくことなってくると言っても過言ではないセッションになります。
3.アカウントプランニングに記入する必須項目
アカウントプランニングに記入する必須項目は下記の5つになります。
①お客様の概要・ビジネスの状況
お客様のビジネスは過去の売上や利益の状況、主要ビジネス、競合、主要顧客などをベースのデータとして理解して置く必要があります。お客様の事業の理解が深ければ深いほど、良い提案ができるようになります。
②お客様の中長期戦略
お客様は今後どのような方向へ進んでいくのか把握をします。事業を拡大していく部門はどのようなことなのか、どのエリアに積極的に投資をしていくのかなどを把握していきます。それに合わせて提案することにより、成約率を格段にあげることが可能となります。会社全体の戦略は普段接している担当者が知らないこともあるため、先回りしてお伝えすることも営業の価値と考えていただける場合がありますまた、個々の部門においても計画があるため、対面しているお客様と日頃から会話することにより投資エリアを把握しておくことが大切です。
③売上計画
①・ ②を踏まえて、自社の製品やソリューションの売上げとLTVを最大化するためのプランを作成します。この時に重要なのは売上げ目標の3倍から5倍のプランを作成するこです。また、どのタイミングでどのくらいの売り上げが見込めるのかもきちんと記入していくことにより、売上目標が達成できるのかも判断できるようになります。売上目標が達成できないプランでは作成した意味が小さくなります。そのため、妄想でもいいので、売上目標の3倍以上のプランを頭を捻って作り出す事が重要となります。
④ リレーションマップ
②で作成した売上計画プランに対して、お客様の対象部門やキーマンなどを組織図の上にマッピングしていきます。その際に、自社に対して好意的なのか、アンチなのかニュートラルなのかなども記入することより、その後のアクションを策定するのに役立ちます。お客様の組織図はHPなどに公開していない場合もあります。そのため、日頃お会いしている方から聞き出したり、公開されている情報から推察したりして少しでも精度が高い組織図を作り続けていく事が大切です。また、組織変更や人事異動のたびに更新することにより、精度を維持していくことが重要となってきます。
⑤活動プラン
③で作成した売上計画を確実に売上に繋げるために活動プランを作成します。活動ブランは、お客様担当者1名だけにコンタクトするのではなく、組織図で必要な方と面談していくプランを策定していきます。役職者にお会いする場合は、自社の部長や役員などを同行するなどし、お客様に失礼にならないように配慮することも大切です。お客様も自社の役員も多忙のためなかなかアポイントが取れない可能性が高いため、早めにアポイントを取得するなどにも有効的です。
このようにアカウントプランニングは大企業を担当するエンタープライズ営業にとっては売上を左右する重要なものとなっています。作成するには膨大な時間がかかる上、精度をあげていくのは大変です。しかし、四半期に1回は腰を落ち着けてプランニングを継続的に行うこことにより精度があがっていきすので諦めずに続けることをおすすめします。営業担当者が変更になった場合は、これらの資料もきちんと引き継ぎ、秘伝の味噌のように深みをだしていくことが会社の資産となっていくので大切に取り扱ってください。間違えても退職者が引き継ぎをぜずにパソコンを消去しないように会社としてもアテンションすることが必要です。
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