2024年1月21日
エンタープライズ(大企業向け)とSMB(中小企業向け)の営業の違い
エンタープライズ向けとSMB向けの営業は、対象となる顧客層が異なるため、アプローチや要件が異なります。以下に、エンタープライズとSMB向けの営業の違いについてのポイントをご説明します。
1.エンタープライズ向け営業: セールスサイクルの長さと複雑さ
エンタープライズ向けの営業は、セールスサイクルの長さと複雑さが注目すべきポイントです。通常、大企業は意思決定が複数の階層に及び、合意形成には時間がかかります。ここでは、セールスサイクルが伸びる要因とその複雑さに焦点を当てます。
・意思決定プロセスの複雑性
エンタープライズでは、製品やサービスの採用に関する意思決定は複数の部門やステークホルダーによって行われます。これにより、情報収集や合意形成に時間がかかり、セールスサイクルが長引くことがあります。
・カスタマイズされた提案の必要性
大企業は個別のニーズや要件を持ち、これに合わせた製品やサービスが求められます。セールスプロセスでは、顧客の特定の要望に適合する提案を構築するための高い提案能力が必要です。
・長期の関係構築
エンタープライズ向けの取引は通常長期的なビジョンに基づいています。そのため営業ぱーそんだけなく、会社対会社の長期間にわたる、信頼構築と継続的なサポートを提供する必要があります。
これらのポイントを理解することで、エンタープライズ向けのセールスサイクルの長さと複雑さに対処する効果的な戦略を展開できます。次に、営業活動におけるニーズの特定について詳しく掘り下げていきます。
2.エンタープライズ向け営業: ニーズの特定
エンタープライズ向けの営業では、顧客の特定のニーズを理解し把握することが成功の鍵となります。そのため深く洞察したうえで適切な提案やソリューションのご提案が必要となります。
・ステークホルダーの個別ニーズのマッピング
大企業において、異なる部門や複数のステークホルダーによる異なる考え方や要望があります。そのため、それぞれの要件を正確に理解し、製品やサービスがどのように価値を提供するかを理解することが不可欠です。また、時にはお客様内部の部門間の調整も営業が率先して実施していく事が大切です。
・ディシジョンプロセスの理解
エンタープライズは複雑なディシジョンプロセスがあり、これらを理解することは営業において不可欠です。企業の意思決定のフローを理解し、活動を行うことが重要です。
・トレンドと将来の必要性の予測
大企業は急速に変化する市場において競争力を維持する必要があります。営業担当者は業界のトレンドを把握し、将来の必要性を予測することで、顧客に対して長期的かつ適切な提案を行うことができます。
これらのアプローチにより、エンタープライズ向けの営業はより効果的に顧客のニーズを特定し、顧客志向のソリューションを提供できるようになります。次に、価格戦略に焦点を当てていきます。
3.エンタープライズ向け営業: 価格戦略
エンタープライズ向けの営業において、適切な価格戦略の構築は極めて重要です。大企業向けの製品やサービスは競合他社も多いため、価格設定は戦略的に行なっていくことが大切です。
・カスタマイズされた価格設定
大企業向けの提案は通常個別のニーズに合わせています。そのため、価格戦略もカスタマイズされ、特定の機能やサービスの提供に応じて変動することがあります。個別の取引条件や割引も常に求められますのでそれに備えた準備が大切です。
・バンドルとアップセル
エンタープライズ向けの製品やサービスには複数の機能やオプションが含まれることが一般的です。価格戦略では、自社の主力サービスをバンドルして提供することで、顧客に付加価値を提供し同時に将来の売上の最大化を目指します。また、アップセルの機会も重要です。
・長期契約とライセンスモデル
大企業との取引は通常長期的な視点で行われます。価格戦略においては、長期契約や契約方式を検討することで、安定した収益を確保し、企業との持続的なパートナーシップを築くことが可能です。
これらの価格戦略は、エンタープライズ向けの営業が成功するために欠かせない要素です。次に、カスタマーサポートとトレーニングに焦点を当てていきましょう。
4.エンタープライズ向け営業: カスタマーサポートとトレーニング
エンタープライズ向けの製品やサービス提供において、優れたカスタマーサポートとトレーニングが不可欠です。大企業は複雑な業務環境で活動しており、これに適切に対応するためのサポートが期待されます。
・専門的なサポート体制
エンタープライズ顧客は高度なサポートを求めることが一般的です。専門的なサポート体制を整備し、トラブルシューティングや問題解決に素早く対応することが重要です。24/7の電話によるサポート窓口も場合によっては必要となります。
・トレーニングプログラム
自社の製品・サービスを効果的な利用いただくにはトレーニングが欠かせません。そのため、お客様内部の利用者に対する研修やトレーニングを企画し実施することも提案の価値のひとつとなります。
・アカウントセールス
エンタープライズ向けの営業では、アカウントセールスとアカウントマネージャががお客様と継続的に密なコミュニケーションを行い、ニーズの変化や新しい課題に迅速に対応します。定期的な訪問を実施し、お客様との信頼関係を深めながらサービスの向上を図ります。
これらのアプローチにより、エンタープライズ向けの営業は高品質なサポートとトレーニングを提供し、顧客の満足度を確保します。最後に、提案書の内容についてです。
5.エンタープライズ向け営業: 提案書の内容
エンタープライズ向けの提案書は、企業の複雑なニーズに応えるためにお客様に寄り添った個別カスタマイズの提案が必要です。以下は、効果的な提案書の要素に焦点を当てます。
・詳細なニーズ分析とソリューションの提示
エンタープライズの具体的なニーズや課題を情報から仮説し分析する必要があります。その上で、提供する製品やサービスがどのようにこれらの課題を解決するかを具体的にします。個々のお客様にカスタマイズされたソリューションへ提案が必要となります。
・ROI(投資対効果)の明示
大企業は投資の見返りを確認したいと考えます。提案書には、導入にかかる費用とその結果生じるROIを明示的に示すことで、定量と定性のメリットを数字や事例を通じてお伝えする事が大切です。
・成功事例
提案書には、同業他社や同様の課題を抱えた企業の成功事例を組み込むことで、製品やサービスの信頼性をアピールすることができます。実績を通じて信頼を構築し、顧客に安心感を与える事が可能です。
これらの要素を含んだ提案書は、エンタープライズ向けの営業活動においては標準的な内容になります。信頼を築き、契約をいただくための大きな要素となります。ビジネスの成果を最大化するために積極的に事例を活用することが大切です。
エンタープライズ向けの営業は、長いセールスサイクルや複雑なニーズに挑む挑戦的な道のりですが、効果的なセールスサイクルの構築、顧客との強固な関係構築、そして魅力的な提案書の作成により、成功への扉を開くことができます。絶え間ない革新と柔軟性を備え、大企業とのパートナーシップを築くことで、持続的な成果と成長を実現できます。
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