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2024年3月9日

強い営業組織をつくるセールスイネーブルメントとは

強い営業組織をつくるセールスイネーブルメントとは

ビジネスにおいて営業に関する悩みを多くの企業が抱えています。例えば、営業パーソンの生産性がなかなか上がらない、 新入社員の立ち上がりが遅い、 営業はセンスと感性なので教育なんてそもそも効果がない、 教育にお金と時間をかけて本当に効果がでるのだろうかなど、経営者や営業管理者や人事部などは常に頭を悩ませていると思います。セールスイネーブルメントとはセールス(sales)=営業、イネーブルメント(enablement)=できるようになるという意味です。セールスイネーブルメントは営業力強化の手法であり、営業組織に所属する営業担当全員が成果を創出できるように導くことを指しています。この手法は、外資系IT企業では30年以上前から行われている手法となります。


1.セールスイネーブルメントが必要な理由

2.セールスイネーブルメントの体系

3.お客様の購買活動に沿った営業活動とは

4.お客様の購買プロセスを理解した営業活動を行うために必要なこと


1.セールスイネーブルメントが必要な理由

セールスイネーブルメントの本が出版されるなど、大手企業を中心にセールスイネーブルメントを営業パーソンの育成に取り入れる検討が始まっています。日本社会は成熟しており高度成長が望めない、製品サービス の複雑化、販売活動の複雑化しています。また、必要なものは大抵の人が安くいいものをいつでも買えるようになりました。そのため企業は 買っていただけるために製品・サービスを拡張させ、さまざまな事ができるように複雑化させています。この傾向はB2Cだけでなく B2Bにおいても同様です。単純に販売を行うのではなく多機能でさまざまなことを解決できるようにしてきています。そのため、購入側は必要な機能の有無を簡単に理解できなかったり、各社の製品の違いをぱっと見では判断できなくなっています。結果として製品サービスの複雑化 が社内の検討プロセスの複雑化を引き起こしています。大きな商談になればなるほど、ステークホルダーが増えるため、営業はそれぞれの立場や考え方を理解した上で 全ての役員やステークホルダーから納得してもらい発注していただくことが必須となります。そのため、個人の資質やセンスや気合いと根性といった個人任せではなく、企業として営業の人材育成をし誰でも売れる営業にしていくのことが必要不可欠となっています。


2.セールスイネーブルメントの体系

お客様の購買プロセスは下記になります。

潜在ニーズ=>課題認識=>事前調査=>社内調整=>課題整理=>解決策の検討=>比較検討=>発注

それぞれのプロセスの状況にあわせてお客様に価値を訴求していくことが営業活動です。販売する側の都合の良い営業プロセスに合わせて営業教育を行なっている会社をよく見かけますが、これは大きな間違えです。時間とお金をかけても営業は育ちませんし、受注率もあがりません。営業プロセス=お客様が購入するための検討を進めるプロセスです。

お客様の購買プロセスを理解してそれに合わせて提案を行なっていく事が重要となります。


3.お客様の購買活動に沿った営業活動とは

営業活動に必要なのは①知識、②スキル、③プロセスになります。

①    知識

ベースとしてはお客様の業界知識、お客様のビジネスや課題、方向性などの知識です。さらに自分たちの業界知識も必要 です。自分が働いている業界ではどのようなことが起こっているか把握していますでしょうか。例えば、IT業界であれば、ネットワーク回線が太くなったことによるオンプレミス一辺倒からクラウドがビジネスで使えるレベルになってきた、その結果としてSass企業が急拡大している、開発手法においてはウォーターホールからアジャイル開発が主流になってきたり、ノーコードの発達により高いエンジニアスキルを必要としなくてもシステム開発ができるようになったりと日々状況は変化しています。現在の状況および今後の方向性を理解してお客様と話す必要があります。加えて、製品・サービスの知識や契約までの社内業務の知識製品も業務を進めるため必須です。競合に対しての強みや弱みにおいても知識として身につけることが強い営業パーソンや組織には必要です。

 

②    スキル

お客様との信頼関係なくしてビジネスはありえません。高額になればなるほど人は好意的に思えない人からは買いません。なので、信頼を勝ち取る言動がベースとなります。また、ヒアリングスキルも重要となります。ヒアリングとはお客様が自ら気持ちよく話したくなるようにしていくことです。単純に予算はいくらですか?誰が意思決定をするんですか?購入時期はいつですか?と聞くことに必死になっている営業パーソンがいますが、これはヒアリングではなく尋問です。尋問されて嬉しいと思うお客様は皆無です。そのため、どうしたらお客様が積極的に話してくれるのか考えて話をしていくのが大切です。そして、プレゼンテーションも営業には必要です。スクリプトを作成して暗記して読み上げてもお客様の心は打ちません。抑揚をつけて、わかりやすく明るく元気に行うと魅力的なプレゼンが行えます。流暢に話す事よりも多少つっかえても間をとったりしながら行うほうがお客様に魅力的に見られます。そして、難しいのですがとても重要なことはオブジェクションハンドリングです。オブジェクションハンドリングとは自分とは異なる意見を持つ人を自分側に誘導することを意味します。 反対意見に対して、真っ向から否定をするのではなく、うまく誘導することで、自分と同じ意見へ導くいきます。お客様から「内容はいいけど高い」言われた時に、いやいや高くないですよ!と打ち消すことはオブジェクション ハンドリングではありません。オブジェクション =お客様がこう言ってきたときに ハンドリングをするのがポイント です。「そう思われるのは当然ですよ!ちなみに何故そう思われるんですか?ちなみに他社さんはどのくらいの提案金額なんですか?ちなみに予算にどのくらいオーバーしているんですか?」というような質問を繰り返し ながら本当の本心に到達していくことがオブジェクションハンドリンです。重要なのは論破してはいけないということです。

 

③    プロセス

営業のプロセスはお客様の購買プロセスにあわせて、それぞれのタイミングで何を行えばいいのか理解することが大切になります。お客様の購買プロセスはいま何処のフェーズにあるのか正しく理解したうえで、フェーズに合わせた対応を的確に行うことが契約に向けて重要となっています。例えば、情報収集のタイミングなのに、勝負価格の見積もりを出して買ってくださいと言ってもまったく響かないだけでなく、マイナスしかありません。


4.お客様の購買プロセスを理解した営業活動を行うために必要なこと

先輩や上司の過去の経験則や現場のOJT任せではなく、成果を出せるための教育を行うことが必要となります。ポイントとしては①コンテンツ、②トレーニング、③コーチングになります。

 

①    コンテンツ

闇雲に資料やマニュアルを作成するのではなく、まずは自社のベストプラクティス(Best Practice)とは、どのようなものなのか最善の方法や最良の事例把握することから始めます。現状把握をするためには営業成績がよい人をインタビューし、どういう知識を持っており、スキルを使っているのか、どのような行動や言動しているのかを聞き出します。 その上で、コンピテンシー(=高いパフォーマンスを発揮する人物に共通して見られる「行動特性」)を見つけ出します。 例えば、お客様志向、素直、行動が早い、ストレスに強いなどです。それらをインプットとして、会社にとって自社にとって理想の営業の人材像を作成します。作成時に注意して欲しいのは。企業の価値観と合っているかとうことです。優秀な営業パーソンの中には数字さえあがっていれば、お客様の成功は気にしない、周りに迷惑をかけてもいいと思っている人もいます。 そのため、会社の方針とあった理想の人物像をベースにしてコンテンツを作成していくことが大切です。その上で、理想の人材像の社員を増加させるための採用、育成していくことがセールスイネーブルメントです。コンテンツにおいては、常に最新のものが誰でもわかる場所に置かれていることが大切です。最初からコンテンツを用意するのが大変な場合は、優秀な営業パーソンの資料を全員で共有することから始めることも短期間で成果を出すためには重要です。

 

②    トレーニング

コンテンツができたらトレーニングです。研修や勉強会を入社時のみに行うのではなく、新しい情報や知識を継続的にインプットしていくことが大切です。

 

③    コーチング

座学で知識を身につけただけでは実践でうまくいく保証はありません。そのため、日々の営業活動の中で、先輩や上司によるコーチングが必須となります。継続的なコーチングなくして、成長はないと言っても過言ではないです。若手の育成で重要なポイントは3つです。事前準備をきちんと行うことです。場当たり的や、いつも決まりきった資料を使って営業を行うのではなく、お客様のことを理解して、場面場面にあわせてきちんと資料を用意します。また、内容に問題ないか上司や先輩が必ずチェックすることが大切です。2つ目はロールプレイングです。資料ができても当日どのようにお客様に説明するのかを事前に練習しておくことが大切です。練習でできないことは本番ではできません。練習もせずに本番に臨んでもうまくいく確率は当然のことながら低いです。3つ目は、上司や先輩によるお客様訪問の同行です。練習のロールプレイングでは想定していなかったとは、実際の提案活動では発生します。その際にどういう対応をしているのかを上司や先輩が見て、次回の対応をより良くするためのアドバイスをすることが成長に繋がります。。また、時には助け舟を出して、案件を進捗させてうまくいく方法をその場で教えることも大切です。

 

営業教育はスポーツと同じで、正しいアドバイスをもとに繰り返し継続的に行うことにより、成果が出てきます。その結果として個人の成長および強い営業組織を作る事が可能となります。焦らずに腰を落ち着けて徹底的に継続していく事が成果を出す近道となります。

 

N.Kナーツでは、多くの企業の[営業コンサルティング]支援実績があり、仕組み作り・チームづくり・人材育成などのメソッドがあります。法人営業の強化の取組の際はN.K.ナーツにご相談ください。N.K.ナーツでの営業力強化の支援実績はこちら

 

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